「更け行く秋の夜、旅の空の、わびしき思いに、一人悩む。恋しやふるさと、なつかし父母 ~」
犬童球渓(いんどうきゅうけい 1879~1943)の訳詩による「旅愁」を聞くと誰もが少し感傷的になります。
犬童球渓は人吉市に生まれ、東京音楽学校を卒業し、音楽教師として各地を転々としました。
新潟高等女学校に赴任していた期間、ジョン・P・オードウェイの「家と母を夢見て」の曲を知り、故郷の人吉から遠く離れた自分の心情と重ね合わせ、この訳詩を作りました。
秋の夜は、懐かしいふる里を思い描きながら、静かに「松の泉」とともにお過ごしください。
写真は人吉城址です。(撮影 11月16日)